2018年05月
2018年05月20日
第5章 最終章 別れ路 -届かぬ想い-②-
「加奈様! 加奈様!!」
「う~ん、むにゃむにゃ……ごはん、まだ?」
「加奈、何をねぼけている! 早く目を覚ませ!」
ねむけまなこの加奈の目に映ったのは、心配げに見つめるライと呆れ果てた顔をしているサタンの姿でした。
「加奈様、どこかお怪我はありませんか? 大丈夫ですか?」
「あ!!……そうだった!! 宇宙船から、又、飛ばされたんだった。ここは、どこ?」
加奈があたりを見渡すと、うっそうとした森の中、むせかえる程の緑の香りと生い茂った木々の隙間から、美しい山々が連なっていました。鳥の声も聞こえ、加奈が以前降り立った原始星同様に、自然豊かな場所でした。
「うわあ~! 空気がおいし~い、気持ちがいいねぇ」
「そうですね。でも…」
「?? ライ、何か気になる事でもあるの?」
「どこか見覚えのある星なのですが、私の記憶が正しければ、この星はスクトウム星から、そう離れていないエアルアル星だと思うのですが…」
「ライはこの星を知っているの?」
「はい。以前、仕事で王子と一緒に降り立ったのですが、美しい星ではありますが…」
「???」
「大型のモンスターが多いのです」
「大きいモンスター??」
「それも、凶暴で人を食べる」
今まで黙っていたサタンが、ぼそりと言ったので、加奈は、口をあぐあぐして何も言えず、真っ青になってしまうのでした。そんな話をしている時、突然、森の中からガサガサと音がしたのでした。
「ひ!! 人食いモンスター!?」
サタンもライも剣を持ち、身構えた瞬間でした。
ライと同じように耳が少し長く空色のオカッパ頭の美しい女性が笑いながらサタンに抱き着いてきました。
「え!?」
「!?」
加奈とライはあまりの突然の事に、口を開けたまま、何も言うことが出来ませんでした。
「久しぶりね、サタン。とても会いたかったのよ。今回はどの位この星にいられるの? 私の村に来てくれたのでしょう」
「リーゼ、ちょっと離れてくれないか。今日は仕事で来たんじゃない。君の村には行かない」
「どうして? あら、今日はひとりじゃないの?」
その美しい人は、加奈をまじまじと見つめました。加奈に注がれる刺すような視線に、言葉が出ませんでした。
「この子供、サタンの妹? 同じ黒髪だけど似ていないわね。こんな子供、何で連れて来たの? この子は宇宙船に置いて、サタンだけ私の村に来てよ」
「君! 失礼じゃないか!! 加奈様は子供じゃない」
「ライ!! 初対面の人に失礼よ。ごめんさい、私、この星初めてなので…」
「あら、そうなの。ふ~ん…あなた、子供のくせに加奈様って偉いの? そうは見えないけど」
ライは、もう怒りが露わであわてて加奈はライを押し留めながら、女に笑顔で話すのでした。
「全然、偉くないですよ。実は私、サタンの遠い親戚なのです。それで、似てないんです」「あ~、そうなの、そうよね。全然似てないもの。あなた達も村に来ていいわよ。ご馳走するわよ。ねえサタン~~、 いいでしょう」
甘ったるい声でベッタリと、又、サタンに抱きついて、サタンはうんざり顔でしたが、女のなすがままでした。
「それじゃ、今日だけだからな。明日は行く所があるから」
「サタン様!!」
ライは怒ったようにサタンを睨みつけました。
「分かりました!! 加奈様、私たちはお邪魔のようですから、別の町か村へ行きましょう!」
「あ! ちょ…ちょっと、ライ!!」
まだ気を失っている竜斗を抱いている加奈の手を引っぱって、ライは反対側に歩いていくのでした。加奈は振り返り、サタンを見ましたが、サタンは追いかけてくる様子も無く、ベタベタする女性と話をしていました。加奈は、少し淋しい気もしましたが、いつもの事と思いながら、ライと共に山道を下っていきました。
はるか下の方に、同じ作りの家々が並んだ小さな村が見えて来ました。家々の回りには、果物のような美しく大きなオレンジ色の実が、たわわに実っていました。のどかな里山の村の景色に、加奈とライは心を奪われて、少しの間、立ちつくしてしまうのでした。















































































